症状
VDT症候群とは、パソコンなどのディスプレイ(VDT:ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル)を使った長時間の作業により、目や身体や心に影響のでる病気で、別名 “IT眼症(がんしょう)” とも呼ばれています。最近ではスマートフォンやタブレットなどモバイルツール、ゲーム機などの普及により、いわゆるビジネスマンだけの病気ではなく、様々な年齢層にみとめられる疾患となっている。
眼の症状は、目の疲れ、痛み、乾き目、かすみ目、物がぼやける、視力低下など。 身体の症状は、肩こり、首から肩・腕の痛み、だるいなど。慢性化すると背中の痛みや手指のしびれなども現れる。
精神の症状は、イライラ、不安感、抑うつ状態など。1日の連続作業時間が長くなるほど、目に関する訴えが多くみられます。ひどくなると、近視、角結膜炎、ドライアイなどの目の異常とともに、額の圧迫感やめまい、吐き気まで起こすこともあります。
治療
目の疲れをやわらげ、目にうるおいを与える点眼薬の使用、身体や目の緊張をほぐす内服薬などによる治療が行われています。
この疾患は予防が大切です。(1)作業環境の見直し…パソコン画面は目線より下にする。椅子は深く腰を掛けて座り、両足の裏全体が床に着く位の高さにするなど。(2)視力の良い悪いにかかわらず、年に一度は視力検査をする。(3)ディスプレイの明るさを調整する。明るすぎず暗すぎず、長時間眺めて見やすいようにセッティングする。照明も明るい間接照明にするのが良い。
普段から注意すべきこととしては、(イ)作業1時間ごとに10分~15分くらいは目を休める。窓から遠くの景色を眺める。(ロ)目を乾燥させない。意識してまばたきを増やしたり、目薬をまめにさしたりする。(ハ)温タオルで目を温める。具体的には約40℃の温度で5~10分程度が推奨されています。(ニ)眼鏡やコンタクトレンズは使用目的(何を見るのか・対象物の距離など)に応じて自分の目にあった度数のものを使う。
参考文献:参天製薬ホームページ